Communication Center for Food and Health Science/特定非営利活動法人食品保健科学情報交流協議会
協議会の紹介 協議会の活動状況 ニュースレター リンク
電力事情の悪化に対する取組みについて
2011年8月17日

 食品衛生への取り組みについて (提案 その3)
     
食品製造業における夏期電力節電に対応した品質衛生対策について

東京電力管内の事業所では節電(室内消灯、クールビズ、空調温度設定の見直し、ライン設備の空運転制御)と自社工場に設置されている自家発電、一部ライン生産を夜勤生産に切り替えること等、及び関連するフードチェーン内の連携により、取り扱う食品の品質衛生を確保するとともに、国の提案する節電の確保に努める。しかし、電力事情のさらなる悪化により、計画停電が示唆されている。
食品企業として、このような場合に危機管理マニュアルの整備が重要であるが、中小企業の多くの事業所ではまだ策定されていないといわれている。そこで、長期化が予測される電力事情の悪化に対応する「電力使用制限への対応」について「食品製造業における夏期電力節電に対応した品質衛生対策」として策定し、これを基本とし、当面する対応を検討し、今後の危機管理マニュアル策定、変更等の足掛かりにするよう協力したい。
以上を踏まえて、第3回として、現状における予防的な対策として、下記のとおり提案いたします。
                         記
1.危害の予測 ⇒ 「節電効果が得られず停電」となった場合
(1)食品衛生的危害の発生
@ 加熱時における加熱不足による製品、工程の微生物汚染と増殖の恐れ
A 加熱製品の冷却不足による微生物の増殖の恐れ
B 冷蔵庫等における原材料、製品の保管温度上昇による微生物の増殖の恐れ
C 洗浄不備による工程の微生物汚染の恐れ
D 殺菌装置の停止による使用水の残留塩素濃度の低下による微生物の増殖の恐れ
(2)食品衛生が確保された上での品質上の問題の発生
   製造工程中の滞留により過加熱、過冷却等の発生などによる商品品質としての出荷可否についての判断が発生する。

2.予防的対応 ⇒ 「計画停電を含む停電の発生」に備える
(1)食品衛生的危害を防止の手順を確立し、停電発生及び停電復旧時の対応フロー・システムを確立する。
(2)原材料・製品の温度を守るための対応策を策定する。
@冷凍冷蔵庫の温度維持を行うための非常電源(発電機)の準備
A冷蔵・冷凍車の手配や保冷シート、ドライアイス、蓄冷剤等を準備するとともに、冷凍食品の解凍を電子レンジ等の方法を使用せず、冷蔵庫において行う。
Bカゴ出荷など温度上昇し易い形態を電力需要が伸びる時期は中止することの要請検討
  (変更不可の場合は保冷シート、ドライアイス等の準備)

3.事前検証 ⇒ 停電発生を想定し、温度への負荷を事前に確認する
@停電の場合、冷凍冷蔵庫の温度がどの位の時間で上昇するか保管庫の限界を知る。
  ・冷蔵: 電源を落とした際に10℃を超えるまでの時間を検証
(電源を落し確認、廃棄商品等を用い雰囲気が10℃を超えても製品温度が10℃以下であること及びその温度保持できる時間を確認)
  ・冷凍:デフロスト実施時に温度変化がどのようになるかの検証
A商品を室温放置した際の冷却後の商品の温度変化(10℃を超えるまでの時間)

4、停電発生時の基本対応事項
(1)停電発生直後〜停電中
1)製品の取り扱い
@ 原材料、製品を保管庫に入れる。
A 廃棄するもの;加熱工程中の製品、包装できない商品
B 冷却前冷却中の製品は所定時間以内に冷却する。
C 仕掛品は品質衛生基準に準じた管理を行う。
2)設備の衛生確保
@ ラインに滞留が無いことを確認。滞留が確認されたラインは原則洗浄を実施。
(滞留処理した際に工程の二次汚染の防止をする。)
A 洗浄途中の場合は洗浄の進捗度合いにより洗浄をやり直す。
B CIP等の自動洗浄が最後までプログラムが終了していることを確認する。
3)製品・保管庫の温度確保
   @ 冷凍冷蔵庫の開閉を控える。停電中の出荷作業を止める。
   A 非常用電源、保冷車、保冷シート、ドライアイス、蓄冷剤等を活用する。 
(2)停電復旧後 ⇒ 記録を取り、次の項目を実施する。
1)製品の取り扱い:停電中に温度が上昇したものは廃棄する。
2)設備の確認:
@ アルコール等による殺菌を行う。
A 加熱装置等の設定、日付プリンターが間違っていないか確認する。
B 冷凍冷蔵庫の電源が入り運転していることを確認する。(記録を取る)
3)製品・保管庫の温度確認
@ 停電復旧後に冷凍冷蔵庫の温度が管理基準値から適正であることを確認する。
A 保管庫が温度上昇した場合には必要に応じ、保管物の温度を測定する。
4)使用水の衛生確保:水道の残留塩素濃度を確認する。

5.関連企業等及び消費者等フードチェーンへの呼びかけ
   社会問題としての長期にわたる突発的停電の可能性を含む節電にあたっては、フードチェーン全体での共通認識に基づいた対応が求められる。フードチェーンの各段階において、対応に齟齬が生じないよう相互に品質を守るための理解を求めるべきである。
(1)原材料等納入事業者への要望
@ 停電が発生した場合でも保管温度が保持できる体制をとる。
A 停電発生後に原材料の温度確保が出来たことを記録で証明出来るようにする。
(2)流通関係事業者への要望
@ 停電が発生した場合でも保管温度が保持できる体制をとる。
A 不要な在庫を取らない。
B 見切り品等の温度管理を徹底する。
  C 出荷形態などの変更の了解をえる。
(3)消費者への要望
@ 停電中に不用意に冷蔵庫を開けない。(蓄冷剤などを準備する)
A 少しでも保存温度に疑問が生じた場合にはもったいないが食品を捨てる。
B 表示保存温度を守り、賞味期限内に食品を食べる。
C 必要以上の食品を購入しない。
D 冷蔵品を冷凍する等表示保存温度を変える場合は自己責任で変える。

6、これらの考え方を「危機管理マニュアル(仮称)」に反映させること。
なお「危機管理マニュアル(仮称)が策定されていない事業所にあっては早急に策定することが望ましい。
検討会においては、危機管理マニュアルの策定の考え方についての考え方を取りまとめ、提案する準備をしております。


                                                 以上

食科協では、この問題について、提案を継続することとしております。
本件に関するご意見・ご質問等は、Fax又はE-mailによりお願いします。

             特定非営利活動法人食品保健科学情報交流協議会
(電力事情悪化対応策に関する検討会)
               〒135-0004 東京都江東区森下3−14−3全麺連会館
               Tel:03-5669-8601    Fax:03−6666−9132
             E-mail:8.shokkakyo@ccfhs.or.jp
 

サイトのご利用に当たって Copyright Communication Center for Food and Health Science All right reserved.