Communication Center for Food and Health Science/特定非営利活動法人食品保健科学情報交流協議会
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地震発生時における食品の安全確保に関して
2016年5月13日

 その1 消費者の皆様へ

熊本・大分方面における地震の発生は多くの被害をもたらし、今後も余震は継続するとの報道もあります。被災者の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、次の提言をさせていただきます。
これまで、神戸大震災、東日本大震災等を経験しましたが、これらの発生時は冬または早春でありました。今回の発生は初夏に向かう季節であり、また、断水、停電も発生していることから、食中毒の発生する恐れがあります。
食科協では、過去に「電力事情の悪化への対応」という提言を行いました。これを改めてご確認いただければと思いますが、ここに、改めて緊急提言をするものです。
今回は、その1として、被災者の皆様への呼びかけを行います。今後、「その2食品等事業者の皆様へ」、「その3日常からの準備について」を予定しております。

*被災者の皆様への呼びかけ
                         
【被災直後】
食生活において、断水および停電など、生活インフラの悪化は、これまで出来たことが、制約を受け、日常生活が困難になることが考えられます。
 停電後の冷凍冷蔵庫内の食品について
・食材・食品でいたみやすいもの(肉、魚、乳製品等)は、未加熱で食べないでください。
・石油ストーブや、簡易コンロ等、電気・ガスを利用しなくてもよい器具がある場合は、それを活用して、いたみやすい食材には必ず加熱調理してください。
 飲料水について
・井戸水を使用している場合は、停電により滅菌機が停止していることが考えられます。また、井戸に亀裂が入り、微生物に汚染されている可能性も考えられます。そのため、未加熱で飲用しないでください。未加熱で飲用が必要な場合、食品添加物の次亜塩素酸ナトリウム(商品名:ピューラックス等)を加えて殺菌をすることも効果的です。
 避難所等での配布食品について
・弁当、炊き出し等は、保存がきかないため、時間がたってしまったものは食べないでください。
・常温で保存がきくもの(例、菓子パン、レトルトパウチ食品、ペットボトル飲料等)は、必要に応じて、賞味期限を確認してください。
・手洗いの水にも事欠くことが想像されますが、食事の前には消毒用エタノールや紙ナプキン等で手を消毒してください。
【復旧過程において】
被災により、疲労、ストレス等で、食中毒等、病気にかかり易くなっていることが考えられます。
・避難所から自宅に戻ることが出来るようになった場合、冷凍冷蔵庫内に食材があっても、停電などで稼働していない時間が長時間あった場合、庫内の食品でいたみやすいものは、全部廃棄してください
・水道水が復旧している場合、導管内に溜まっている水を、30分程度流してから使用してください。井戸水を使用している場合は、これに加えて、使用前に滅菌機が稼働して、水が消毒されていることを確認してください。
【復旧過程において電力・水が制限される場合】
物資が不足する中で、食材の大量購入をしたい気持ちはあると思いますが、
温度管理が重要となる食品を大量購入すると、食品表示に示された保存方法を守れないことが起こります。再度停電がおこると、冷凍冷蔵庫の管理が困難となります。
・賞味期限等が包装を開くまでのものであることを再認識し、食品の購入にあたっては、開封後の食品を保存することがないように計画的に、使いきれる量を購入してください。
・停電・電力低下が起こった際は、保冷剤(蓄冷剤)と発泡スチロール容器の併用に効果があります。事前に準備し、停電時にこれらを応用してください。

〈参考〉
・家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/point.pdf
・食品をより安全にするための5つの鍵(WHO)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/5keys/5keys_jp.pdf
【被災者へ炊き出しをする方、食糧支援をする方へ】
食品の配布にあたっては、被災者への配布を優先しがちとなりますが、衛生対策を怠ると、食中毒が発生します。ボランティアで食品を調理する方や、配布する方に、最初に以下の注意点を伝えましょう。
・食品を扱う前に手洗い消毒をすること、手袋をした手で食品以外のものに触れないこと、調理の際には十分な加熱をすること、弁当等の温度管理をすること、配布時に消費期限があるものは、時間をおいて食べないように被災者に伝えること。
・東日本大震災の際も、炊き出しで食中毒が発生します(2011.6.16福島県、
原因菌;ウェルシュ菌)避難所といえども、不衛生な調理や手洗い不足は、食中毒事故を招きます。

(小林 幹子)

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