Communication Center for Food and Health Science/特定非営利活動法人食品保健科学情報交流協議会
協議会の紹介 協議会の活動状況 ニュースレター リンク
リンク
協議会の活動状況
arrow
食品マネジメントシステム
部会
食品安全マネジメントシステム部会

第2回食品マネジメントシステム部会

三原 翠

2003年4月18日第2回食品マネジメントシステム部会が開かれました。今回から総合マネジメントシステムの考え方の基礎として最適なISO14001の規格の内容を理解することを始めました。何故他の規格でなく環境マネジメントシステムかというと、PDCAサイクルがクリアで理解しやすい規格だからです。今後3回にわたって説明していきます。

今回は規格の序文から4.1、4.3までの説明です。PDCAのPlanの部分です。
規格の内容は書いてありませんので、他の資料を参照してください。私の規格の解釈を記しています。

この規格は直接パフォーマンスについては言及していませんが、継続的改善を要求しており、パフォーマンスがよくなければ、それはシステムのどこかが悪いはずなので、その点が指摘されます。

規格序文

この規格の実行をあげるためには、「体系化されたマネジメントシステムの中で実施し,かつ全経営活動と統合したものにする必要がある.」と述べられており、単なる環境活動のパフォーマンスを上げるだけでなく、経営向上に役立てることが大事です。

用語の定義

組織 認証を受ける単位を指しており、工場や本社、事業所、国県市町村の自治体、学校等、及びそれらの連合体等、種々の団体を表現する言葉です。
環境 環境は組織の中、周辺から地球規模までの広い範囲と、組織が使用する物すべてをさかのぼった範囲までを指します。
環境側面 組織が環境へ影響を与える可能性のある活動を側面と言い、ボイラーを焚けば大気汚染をおこすので、ボイラーの使用が側面になります。即ち環境へ影響を与える原因となるものです。
環境影響 ボイラー使用の環境側面の環境影響は、大気汚染、温暖化等になります。植林という環境側面は、炭酸ガスの吸収という良い影響をもちます。側面が原因であるのに対し,影響はその結果になります。
環境方針 その事業体、組織の環境に関する声明で、トップにより発せられます。実際にどのような環境負荷を削減するかの方針を明らかにします。規格の要求している内容を盛込むことが必要です。
環境目的 目的は方針に基づく中長期の目標を指すと言われており、3年から5年先位までの到達点を明らかにする事がISOでは求められています。具体的なプログラムの策定も必要とされていますが、現実的には到達点だけでも可とされます。
環境目標 目標は向こう1年以内の到達点で、具体的な計画(プログラム)が作成され、実施されるもので、数値で表わされる事を要求される事がほとんどです。数値化されにくい場合も実施の回数とか改善件数とか、行動を数値化するよう工夫します。数値化されていないと実施したかどうかの判定が出来にくいからです。
環境パフォーマンス 目標とそのプログラムに従って行った活動の結果であり、目標が数値化されていれば、パフォーマンスも数値ででます。
  
環境マネジメントシステム 環境活動をマネジメントシステムで行う事で、マネジメントシステムとは、Plan-Do-Check-Act、計画を立て、それを実行し、終われば点検をし、その結果をみて、今までの活動をトップが見直す事を言います。
環境マネジメントシステム監査 マネジメントシステムのCheckの一つで、内部外部を問わず、監査をして、システムが基準に適合しているかどうかを証拠に基づいて判断する事で、その結果は最高経営層に報告され、経営層の見直しの重要な一つの情報源となります。内部監査はトップの要請によりなされ、環境管理責任者も監査の範囲に入ります。
継続的改善 環境マネジメントシステムが監査を経て、経営層が監査の結果やその他の情報、社会情勢等を鑑みてシステムの見直しをし、そしてより高い目標を掲げて、次の期にシステムを継続していく事を言います。
利害関係者 直接の取引先、顧客、消費者、地域住民のように直接関係する人々だけでなく、地球上の人々全てが関係者となります。9000の場合は顧客のみである事とは対照的です。
汚染の予防 環境を汚染しないように或いは出来るだけ少なくするように、種々の技術を利用したり工夫をする事。

4.1 一般要求事項

環境マネジメントシステムを導入する事業体は、以下の要求事項をすべて構築して、実施し維持する事が必要である。なお、04年の改訂では、適用範囲を明確にする事が追加される。維持とは原文のメインテナンスでわかるように、常に最善の状態で稼動することであり、修正すべき点は修正しながら実行することである。

4.2 環境方針

 工場の場合は工場長、会社の場合は社長、自治体の場合はその長となる人が、最高経営層となり、その事業体の環境方針を定める。その内容には以下の項目を実行する事を約束する事が必要。
a)その事業体の活動(工場なら製造工程)、製品とサービス(輸送・消毒・配送・派遣等)及び事業体の性質や規模、環境影響に対して適切である事(04年からは又はでなく及びとなるので)
b)マネジメントシステムを構築する事で継続的に改善を進めるという約束及び環境汚染を起こさない或いは最小限にするよう努力する旨の約束をする事。
c)関係する環境法規制を遵守し、法規制以外に遵守を約束している協定等があればそれも含めて遵守する約束。
d)環境目的・目標を設定し、見直す枠組みを作っていること。
e)環境方針を文書にして、方針を実行し、その実行を継続し、方針を全従業員がよく理解するような手立てを行う事。例えば教育をしたり、掲示をしたり、カードにして携帯させる等の手立て。
f)誰でもが方針を知りたいと要請した時、要望を叶えられるようにしておく事。

要はその事業体の活動すべてについて、環境負荷を削減することを明言することであり、特に具体的な枠組みを設定した場合は、環境目的目標に導入して具体化する。

4.3.1 環境側面

 事業体は自らの活動の環境への影響を知るために、環境へ明らかに影響を与えるか与える可能性のある活動・製品及びサービスの環境側面を洗い出す方法を決め、その結果を評価する手順を定めて実行する事が必要である。又、直接自らが実施していないが、製造を委託したり、処理を委託したりしている他者に対しても、依頼している内容についての環境影響評価をすべきである。特に製造委託をしている場合は、本来、自社での活動を他者に委託しているのであるから、委託先の製品製造に関わる環境側面の抽出・影響評価をして、自らの環境影響である事と自覚すべきである。

環境側面の洗い出しの考え方例


この洗出しは、必ずしも毎年しなくてもよいが、生産量の急激な増加や新製品の製造、新工程の導入、社会的情勢の変化等何らかの環境への影響や考え方の変化が起こったら、速やかに見直しをして、評価をし直す事が必要である。
環境影響の評価の仕方は、その事業体の自由に任せられているが、絶対的に正しい方法はないので、種々試みて、最終の評価の結果が、一般常識やそこで働く人の感覚と異なっていない事で、評価の正しさを判定すると良い。

環境側面の洗い出し(抽出)は、各現場や部門ごとに行い、評価は事業体として一括して行うほうが良い。従って、洗い出しには量の把握も可能な限り行い、その部署だけの側面は、その部署が評価し、共通の側面は全体一括にするのが妥当である。

4.3.2法的及びその他の要求事項

 事業体は自らの活動・製品・サービスに関係するすべての法規制や約束事を調べていつでも見れるように作成しておく手順を作り、実施すべきである。これには環境法規制をリスト化しておくのが最も一般的である。その中で自らが該当するかしないか、該当するとしたら義務の項目はなにかを明らかにしておく。そして自らがやるべきことを確実に実行し続けられるように手順を明らかにしておく。また、義務ではないが事業者としての責務の場合もある。 関連しそうなものを出来るだけリスト化しておくと、現在は該当しなくても該当するようになった時にもれる可能性が少ない。また、新しい法規を登録すべきかどうかの判断は、漏れを起こさない為に、決定を委員会等で行う方が良い。

4.3.3 環境目的目標

 事業体は環境目的・目標を階層ごとに文書化して設定しなくてはならないが、その目的・目標は、その組織内の各部門毎にも定められていなくてはならない。規定の文章からは下から上への目的・目標の設定でもよいような表現であるが、階層で設定するよう求めている事、或いは方針との整合性を求めている事から、上流の目的・目標の設定を各部門に下ろしていくやり方が適当である。また、目的は向こう3年間以上であり、目標は1年以内のターゲットであるので、目標は出来るだけ数値化する必要がある。
目的の設定及び見直しにあたっては、法規制等、著しい環境側面、技術上可能なもの、財政的に可能なもの、或いは運用上・事業上の必要性や利害関係者の関心に配慮しなければならない。特に見直しの場合は、前の設定時からの法規制の変更点や方向性の変化を十分考慮して見直す事が必要である。また、著しい環境影響を緩和できる技術の進歩、その経済的な裏付け、今後の事業の方向性、そして利害関係者や社会情勢の変化を見据えて見直す事が大事である。
目的及び目標の方針への整合性は、単なる字句の問題でなく、その心を整合させる事である。

4.3.4 環境マネジメントプログラム

 設定された目的・目標を達成するために、事業体はそのプログラム(計画)を作り、実施していかなくてはならない。プログラムは各目的・目標毎に作成される必要があり、さらに確実な実行のため、責任者の明示、どのような手段で行うか、そして具体的な日程が必要である。
目標の場合は手段・日程はそれほど難しくないが、目的の場合はそのような具体的なプログラムの作成は難しい場合は、各年の値の設定が出来ていれば良しととする事もある。
プログラムは手段・どのようにして目標を達成するのかその方法をスケジュールに書き込んで実行していく。その手段を考える場合、負荷の大きい部分から集中的に取組むと、その効果がはっきり出て、さらに取組んでいくやりがいを与える。製造会社であれば、エネルギーの削減はその製造工程においてエネルギーの使用量の多い部分に集中して取組むとよい。工場で工程の省エネに取組んでいないようでは、本気に環境問題に取組んでいるとは思えない。
また、卸における省エネは、ミス配送を減らすことで、トラックの稼動回数を増やさないという取組みが、省エネに関係する。
外食産業では廃棄物の削減が大きな問題であるが、廃棄物の削減には、調理中の生ごみの減少もあるが、客の残り物を減らす‐おいしいものを作ることで残飯が出ないようにすることも、本来業務を充実させることによる環境負荷削減である。

新規設備の設置や、新規製品の生産、或いは活動の変更など環境に影響を与える要素に変更があった場合は、プログラムを見直して、環境マネジメントが新規或いは変更部分にも確実に適用されていくようにしなくてはならない。(4.3.1の環境側面の見直しについても検討する事が必要である。)

サイトのご利用に当たって Copyright Communication Center for Food and Health Science All right reserved.